交通事故の実況見分調書について被害者が知っておきたい3つのこと

交通事故の実況見分調書について被害者が知っておきたい 3つのこと

実況見分調書は、加害者の刑事責任を追及する証拠となるだけでなく、損害賠償の過失割合を判断する参考とされます。実況見分では、事故の状況が正しく調書に反映されるよう、自分の主張をはっきり述べることが重要です。

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実況見分

 

人身事故の場合には、警察官が実況見分を行い、実況見分調書を作成します。本来、実況見分調書は、刑事事件の手続として作成されるものですが、民事事件(損害賠償請求)において、過失割合等を判断する証拠資料としても使われます。

 

ここでは、交通事故の実況見分調書とはどんなものか、交通事故被害者が知っておくべき実況見分調書の注意点について解説します。

 

実況見分調書とは?

交通事故は、死傷者の有無により、死傷者がいる場合は人身事故、死傷者がいない場合(被害が物損のみの場合)は物件事故(物損事故)と、区分されます。

 

実況見分調書は人身事故の場合に作成される

人身事故の場合は、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(自動車運転処罰法)による処罰の可能性があるため、警察は、刑事事件として実況見分を行い、実況見分調書や供述調書を作成します。

 

実況見分調書や供述調書は、その後の事故捜査の基本となるものです。のちに刑事裁判となった場合には、事故発生状況の事実認定の有力な証拠となります。

 

実況見分とは、警察官が、当事者や目撃者に立会を求め、事故状況の説明を聞いたり、事故現場でスリップ痕、衝突痕、車両の破損個所、被害者の転倒位置、双方の進行経路、加害者が被害者を発見した地点、制動操作をした地点、停止地点、衝突地点、被害状況などを実地に調査することです。これを書面にまとめたものが、実況見分調書です。

 

物件事故(物損事故)の場合は、基本的には刑事事件でなく民事事件であるため、詳細な実況見分調書を作成することはなく、簡単な物件事故報告書が作成されるだけです。

 

なお、怪我が軽傷の場合も、物件事故として処理されることがあります。あとから痛み等が発症した場合は、物損事故から人身事故に切り替えることで、あらためて実況見分調書が作成されます。

 

物損事故を人身事故に切り替える方法はこちらをご覧ください。

 

実況見分調書の内容

実況見分調書には、次のような内容が記載されます。

 

  • 見分日時、場所、天気
  • 立会人(被害者・加害者・目撃者)の氏名
  • 路面状況(舗装の有無、乾燥具合など)
  • 交通規制(最高速度、信号の有無、道路標識の有無など)
  • 道路条件(市街地なのか・閑散とした場所なのか、勾配状況、被害者・加害者からの見通しなど)
  • 事故当時者の車両に関する情報(車種、車両ナンバー、長さ、幅、高さ、損傷の部位・程度・状況など)

実況見分調書 3つの注意点

実況見分調書が作成されるときには、次の3つの点に注意が必要です。

 

  • 実況見分調書は、損害賠償にあたって、賠償責任や過失割合を判断する証拠となる。
  • 被害者が病院に救急搬送された場合、実況見分調書は、被害者側に不利な内容となりやすい。
  • 作成された実況見分調書は、あとから訂正できない。

 

実況見分調書等は、賠償責任や過失割合を判断する証拠となる

実況見分調書や供述調書などは、刑事裁判において事実認定の有力な証拠となるのはもとより、示談交渉や民事裁判でも、損害賠償責任や過失割合を判断する際の重要な証拠となります。

 

実況見分が正しく行われ、被害者の主張が実況見分調書に正確に反映されるよう、被害者も可能な限り実況見分に立ち会い、自分の言い分を警察官にしっかりと説明することが大切です。

 

実況見分調書は、被害者側に不利な内容となることがある

実況見分は、原則として、加害者と被害者の双方立会いのもとで行われますが、被害者が病院へ救急搬送されたときは、加害者だけで行うことになります。

 

加害者だけの立ち会いで実況見分が行われると、加害者の主張に基づく調書が作成されるため、被害者に不利な内容になりがちです。

 

病院に救急搬送されるなどして実況見分に立ち会えない場合は、あとで自分の主張をしっかりと説明することが必要です。

 

作成された実況見分調書は、あとから訂正できない

実況見分調書は、いったん作成されると、あとから訂正できません。警察官の質問に対しては、慎重に事故の瞬間を思い出して答えることが大切です。

 

警察官は、調書を作成しやすいように答えを引き出そうとして、「○○だったのではないですか?」と質問することがあります。警察官は現場を目撃したわけではありませんから、これは警察官の憶測にもとづく誘導質問です。

 

事故直後は、だれでも動揺しているので、警察官にそういった質問の仕方をされると、「そう言われてみれば、そうだったかもしれない」と、思えてくるのです。

 

実況見分や事情聴取に臨むとき、次のことが大事です。

 

  • 記憶と違うことは認めない
  • 警察官の誘導にのらない
  • 調書に間違いがあれば訂正を求め、応じてくれなければ署名押印を拒否する

 

実況見分調書や供述調書は、あとで訂正することができません。「間違っていたら後で訂正すればいい」と安易に警察官の誘導にのって答えてしまうと、取り返しのつかないことになってしまいますから注意してください。

実況見分調書を過信しない

実況見分調書は、民事事件でも重要な証拠となりますが、過信しないことも大切です。

 

実況見分調書だけでは、自分の主張を裏づける証拠としては不十分な場合もあります。また、実況見分調書を取得してみると、例えば、スリップ痕の写真のような当然あるべき写真がない、といった信じられないようなこともあります。

 

ですから、実況見分に立ち会った場合でも安心せず、独自に事故の状況を記録し、証拠や目撃証言を集めることも大切です。

まとめ

実況見分調書は、警察が刑事手続きとして作成するものですが、民事でも使われ、その内容が損害賠償額に大きく影響する場合があります。

 

実況見分調書の作成において、被害者側の主張を十分に反映さることが必要です。

 

大切なのは、実況見分や事情聴取では、曖昧な答えはしない、自分の記憶と違うことは絶対に認めないことです。調書に間違いがあれば訂正を求め、訂正に応じてもらえないときは署名押印を断固拒否すべきです。

 

納得できない調書が作成されようとしているときは、すぐに弁護士に相談しましょう。

 

なお、過失割合で争いがある場合には、実況見分調書や供述調書が役に立つことがあります。弁護士に相談して、実況見分調書の取得を検討してみるとよいでしょう。

 

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【参考文献】
・東京弁護士会法友全期会交通事故実務研究会編集『改定版 交通事故実務マニュアル』ぎょうせい 3ページ
・『新版 交通事故の法律相談』学陽書房 462~463ページ

 

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公開日 2016-12-25 更新日 2024/02/25 13:37:09